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たまごの豆知識

血卵検出率の違い

けんぞう先生のたまごゼミナール

異常卵検査装置は同じ判定レベル設定であっても血卵の判定率に違いが生じることがあります。判定率に及ぼす要因のひとつ、産卵後の経過時間との関係についてご紹介します。

同じ鶏舎の卵を、朝集めたときと夕方集めたときに異常卵検査装置の判定率が違うことがあるのは何故ですか?
夕方になると検査装置が疲れてしまうのかな?
ランプの寿命は数時間で影響するものでもないし、不思議に思います。
第3回で説明したように、異常卵検査装置は卵の内部を拡散・透過した光を分析して異常の有無を判定しています。光の経路に目的の物質がなければ、透過した光に証拠は残りません。
卵黄の裏側に小さな血斑があったら見つけにくいということでしょうか?
可視光線は卵黄を透過しにくいですからね。
小さな血斑卵は、最初は、血液による吸収の度合いが小さいのですが、
時間とともに血液の卵白への溶け出しが進み、血液による吸収の度合いが
増えて血卵の判定が容易になります。

また血液の量や広がり具合によっても影響されます。
血液が多ければ多いほど検出率が高くなるという結果も得られています。

他にも異常卵検査装置の検出性能に影響する要因はありますか?
赤玉は卵殻色素の影響のため、血液の吸収が白玉に比べて検出されにくくなります。

異常卵検査装置のランプ光量が適切に保たれているか、投受光部が汚れていないかなどの装置側の確認ももちろん必要ですが、検出性能を評価する場合には卵の特性も正しく知っておく必要がありますね。